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sawdust

2006.08.14 南アルプス
鋸

爽やかな戸台の朝、出発する人たちも多く、3台目のバスに乗り込み北沢峠に向かう。ゆっくりとバスは林道を走り、だんだんと高度を稼いでいく。
鋸の稜線の切れ間から朝日の光が溢れ出していた。あのギザギザの稜線を明日は渡るのだ。

北沢峠には、たくさんの登山者が出発の準備をしていた。DOPPOさんと共に最後の身支度を整え、甲斐駒ケ岳への登山道へ分け入る。途中、仙水小屋の冷たい水をゴクリと飲み、南アルプスの清涼を身体に入れた。

今日の歩きは、身体が重かった。先週、馬場島から標高差2000m強の行程にて剣岳へ登っていた。一週間足らずでは、回復し切れていなかっ た。それは、DOPPOさんも同じ状況だった。DOPPOさんも先週、空木へ登り私と同じぐらいの標高差の山行だったからだ。
ゆっくりゆっくりとかなりの頻度で休憩を取りながら甲斐駒への高度を上げていく。

コースタイムをかなりオーバーして甲斐駒ケ岳に辿り着く。山頂は、お盆休みを利用した登山者で賑わっていた。
甲斐駒ケ岳

暫くすると異色を放つ3人の人達が上がってきた。ふと目をやると囲炉裏のSさんだった。思わず「Sさん」と声をかけた。こちらがサングラスをかけていたので直ぐには私だとは分からなかったようだ。他Jさん、Mさんと共にかなりハードな沢を登って来ていた。5人で記念撮影をし、Jさんからビールを頂き、握手の後、互いの来た道へ入っていった。
囲炉裏

甲斐駒から鋸への稜線の始まりだった。ネットなどでいくらかは研究していたが緊張感が身体を包んでいた。まだ必要ではなかったが今回用意したヘルメットを装着した。
メット装着

岩ばった稜線を慎重に下っていく。頂きから数百メートル下ると甲斐駒の姿が凛々しかった。途中長い鎖場を下り、宿泊予定地の岩小屋に辿り着く。
岩小屋

まだ早い到着と思われたが、既に2パーティーが先着し、岩小屋の中を占有していた。残されたスペースにツェルトを張り、晩飯用に用意したお弁当のおかず等をアテに屋外でビールを空けた。他のパーティーと雑談の後、日も暮れない内に寝入ってしまった。
ツェルト

夜半に目が覚めてしまい。暫くは石室内に響き渡るDOPPOさんのビート音が耳の中にも響き渡った。

朝の白みの向こうに、仙丈岳の小屋の光と山並みが確認できた。朝食を取り、ツェルトを撤収し、出発の準備をした。今日は、ハーネスの装着が追加された。いくつかの小さなピークを上り下りし、第二高点手前の中の川に辿り着く。ゆっくりめに休憩を取り、長いガレを登っていく。あえぎ登ると第二高点に辿り着く。山頂の剣をバックに記念撮影をし、今回の山行の核心部分へ突入していく。
第二高点

大ギャップのトラバースを渡り、鹿の窓への登りに取り付く。ここを下るのは少し怖そうだったが、怖じることなく登ることが出来る。
鞍部の下、小さい窓を目指してここを攀じ登る。
鹿の窓へ

鹿の窓をくぐる。
鹿の窓から

鹿の窓をくぐると鋸の第一高点が間近に迫る。
第1高点へ

残り僅かである。痩せ尾根を乗り越し、小ギャップを下り、登りに不安を覚えた為、先行するDOPPOさんにロープを求めビレイしてもらった。そこから暫く行くと山頂に辿り着いた。完歩の握手を交わし、深く煙草を燻らせた。
鋸岳 山頂


ここからは、長い長い角衛沢のガレ場を下っていく。大ガレで不安定な足場は、疲れを増大させる。何度か足を取られ、バランスを崩す。

下る下る下る下る下る
なんとも長大なる鋸屑の沢を…
DOPPOさんのHPへ
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